TRIP   2015年7月13日

反転のショートトリップ
@長野県松本市 ゆがみ、栞日の菊地さんに会う。【コーヒー編】

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栞日さんにて

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朝一番のお客さんにコーヒーを出す栞日店主の菊地さん。

ほっしー:どうも、こんにちは〜!
菊地さん:こんにちは〜!どうぞ中にお入りくださ〜い。
ほっしー:きょうは、ちょうど四人揃いまして。
ゆがみ一同:こんにちは〜!!!
菊地さん: 遠いところ、ありがとうございます。

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写真に収まり切らないほどの長蛇の列。。

ほっしー:駅前に、大きめの百貨店さんあるじゃないですか?
松本全市民が集合してるんじゃないかっていうくらい、長蛇の列が出きてたのですが、、
なんだかイベントでもあったんですかね??
菊地さん: 井上百貨店さんですね!
う〜ん、なんでしょうね?(笑)

※のちに、栞日にいらしたお客さんから教えていただき、その正体が明らかに。
松本商工会議所による地域経済活性化のための、1万円で1万2千円分のお買い物ができる!プレミアム商品券の発売日だったのです。

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松本で30年続く「クラフトフェアまつもと」

菊地さん:クラフトフェアまつもとのときに、いらしていただいたんですよね?
ほっしー:はい、そのときは、朝、宿を出てフェアが始まる10時まで、お邪魔させていただきました。

ぶのさん:そのときの、菊地さんがどれだけいい感じだったかっていうことを熱く語られまして(笑)

ほっしー:(笑)いや、だって、こうなんか、コーヒーを入れられる姿が、凛としてるというか、、、すごく拝見していて気持ちよかったんです。自然なスタンスを感じたし、むしろもっと体の芯からにじみ出る雰囲気でした。

菊地さん:ありがとうございます。

さっそく、コーヒーを注文

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お話しながらも、手際が半端なくいい菊地さん。

ほっしー:せっかくなので、早速、コーヒーをいただいてもよろしいでしょうか?
かいさん:ほっしーが話してた、一つ一つ揚げるドーナツもいく?
ほっしー:いきましょう。菊地さん、すいませんが、コーヒーとドーナツを四つずつお願いします!

菊地さん:ネルにされますか? ネルだと一杯一杯、セッティングし直す必要があるので、この間のクラフトフェアのときは、ペーパードリップにさせていただいたと思うのですが。
みっちゃん:ネルがいいです。
ほっしー:じゃあ、ゆっくりでだいじょうぶなので、全員ネルでお願いします!

菊地さん:かしこまりました!お話をすすめながら、いきましょう。

住みたい街で、
スターバックス的な何かを作りながら暮らしていく

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ドリップをはじめるときの、菊地さんスマイル。

ぶのさん:きほん、おひとりでやられてるんですか?
菊地さん:そうですね。ぼくと、妻と、もうひとりイレギュラーでお手伝いいただいている大学生と3人で、という感じですね。

かい:いきなりなのですが、お店のお名前の「栞日」というのは、どういう意味があるのでしょうか??
ほっしー:ホームページにも記されていると思うのですが、生でお伺いしておきたいですね。

菊地さん:じつは、語ろうとすると、すごく「くさい」んです(笑)はたちの頃につけた名前なんですね。
ほっしー:お店のお名前、ぜつみょうに、すきです。

菊地さん:大学生のころ、講義ノートにそれしか書いてなかったですね(笑)お店の名前、ずーーっと考えてまして。
というのも、スターバックスでアルバイトをしてまして、将来、スターバックス的なものをやろうと思ったんですね。

ほっしー:サードプレイスってやつですね。
菊地さん:そう、サードプレイスですね。具体的にいうと、「空間とか場所」を考えていたので、はじめはコーヒーじゃなくてもよかったんです。

そういう場所がある町って、豊かだなぁって思ったんです。
ぼくは土地に執着がなくて、静岡出身なんですけど、大学は茨城でした。
大学卒業後の進路も、国内であることはイメージしてたんですけど、
自分が住みたい町が見つかったら、自分でつくりたいスターバックス的な何かをつくりながら、暮していこうかなぁって。

と、前置きが長くなってしまったのですが、、(笑)

ゆがみ一同:

菊地さん:訪れる人にとって、流れ続ける日常の中に栞をはさむような場所でありたいと。

そのときは、本屋にすることっていうのは全く決まってなくて、ぼくがつくるスターバックス的なお店を「栞日」にしようって決めたんです。

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ケトルは赤い月兎印を愛用。

(ゆがみよりも先にいらしていたお客さんが清算をされる一コマ。)
菊地さん:あ、ありがとうございます。(菊地さんスマイル)400円ちょうだいいたします。
お客さん:500円玉を渡す。
菊地さん:500円のお預かりで、100円のお返しです。
お客さん:いらないいらないと、手をふりかざす。
菊地さん:あ、、、、ありがとうございます!

 

菊地さん:なんでしょう(笑) いまの、かっこいーなぁ。
ほっしー:あのかた、常連の方だったんですか?
菊地さん:いや、違うんですよー。初めて、お会いしました。

ゆがみ一同::えーーーー

菊地さん:なんかいまドキっとしちゃったなぁ。惚れちゃうなぁ。かっこいーなぁ。

ほっしー:かっこよかったですねぇ。

みっちゃん:ぼくもこのまえ、フヅクエでおつり貰わなかったです(笑)

菊地さん:あ、フヅクエさん、実は気になってて行ってみたかったんですよねー。
ほっしー:やっぱり、ご存知なんですねぇ。あそこの店主は、ぼくの高校の同級生なんですよ(笑)
菊地さん:へぇ〜、そうなんですね~。

ほっしー:東京はよく来られるんですか?
菊地さん:お店を始めてから、意識的に行くようにしてますね。

店はもともと、結婚する前に始めていたんですけど、
結婚して、妻が手伝ってくれるようになったので、足を運べるようになりました。

ほっしー:いろんなお店をまわられたりとか?
菊地さん:他の町を見ないと、この町で紹介するべきものとかが見えないという気がしていて。
東京に引っ張られようとは思っていないんですけど、理解はしておかないと、松本で今何をやればいいのか、分からなくなっちゃいそうで。

一杯目のコーヒーができあがる。

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朝の光と、コーヒー。

みっちゃん:カップとソーサー、おしゃれですね。
菊地さん: ルスカっていうアラビア社のシリーズなんです。
みっちゃん:アラビアってフィンランドですよね?
菊地さん:そうですそうです。

ほっしー:ゆがみは普段というか、いままで、こういうコーヒーとかお皿とかを撮らないんです。
街を歩いて、なんだかみんな良くわからないものを撮影しております。壁とか(笑)

菊地さん:壁か~!
松本けっこう、いい壁たくさんありますよ!!

ほっしー:そうなんです!! 今日も少し早めに着いたので、みんなでたくさん撮ってました(笑)
みっちゃん:なぜか、なんでもない壁に人が並ぶって言う(笑)

こういう壁(笑)

菊地さん:シャッターもそうだし、大正期にできた石造りの建物とか。
それをリノベーションして、お店やってたりとか。

ほっしー:街歩いててまず気づくのが、あの白と黒の格子状の壁なんですけど、松本特有なんですかね?
菊地さん:あー、「ナマコ壁」っていうんですよ。
ナマコ壁は、松本だけじゃなくて、けっこう城下町だった町には、あるみたいですね。
あれは、火事対策なんですよね。江戸時代とかに大火があったところとかが、だいたいアレを採用することで、対策したとか。

ほっしー:松本限定ではないんですね~。でもすごく多いなって印象でした。
菊地さん:まさに、中町通り(なかまちどおり)っていうところは、まさにそれで。
あそこは、クラフト関係のお店が多い通りなのですが、なまこ壁と蔵作りの通りって感じで打ち出してますね。

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なまこ壁でできた建物。

「ALPS BOOK CAMP」について

ほっしー:(ドーナツの横に置かれていたポストカードを見ながら)ALPS BOOK CAMP (アルプスブックキャンプ)、実はすごく気になってまして。
菊地さんは、どういう関わりを持たれてらっしゃるんですか?

菊地さん:(しぶしぶ)実は、、、主催者でして(笑)
あまり、そこはあえて表に出してないんですけど。
ほっしー:つまり、ALPS BOOK CAMPを立ち上げたのが菊地さん???
菊地さん:はい。
ゆがみ一同:へぇ~~

ほっしー:7月の25、26日じゃないですか?
これ、ぼく、行こうかなって思って調べてたときに、他のおっきなフェスとかぶってるなって思ったんですけど、あえてですか?(笑)

菊地さん:そうそう、フジロックなのか、アルプスブックキャンプなのかっていう!
いや~、後から気づいて。
ほっしー:対抗されたんじゃないんですね(笑)
菊地さん:いえいえ、とんでもないです。後から気づいたんです(笑)

栞日さんのHPより

ほっしー:でも、すごく人気ですよね!
菊地さん:湖のキャンプ場のテントサイトに泊まりながら楽しめるっていうのが売りなのに、
もう売り切れちゃったんですよ。。

ほっしー:Facebookでフォローさせていただいておりまして、サイトをちょくちょく拝見しているのですが、
もう場所ないな~って

菊地さん:すいません。。車で5分くらい行っていただきますと、もう一個POW WOW(ぱうわう)っていうキャンプ場があって、そっちがまだ多少テントサイトのこってるかもしれません。(取材時情報)
あとは、個人的にオススメしているのが、大町温泉郷(おおまちおんせんきょう)っていうエリアなんですけど、そっちのほうが、いわゆるアルプスを楽しめるところで。
里山の谷間から尾根が見えるんです。
そこが、会場から10分くらいなので、大町温泉郷に泊まっていただけると嬉しいなって。

ほっしー:大町温泉郷だと、キャンプではなくて、宿に泊まるイメージですよね?
菊地さん:そうですね!
大町温泉郷も、けっこうおっきな温泉街で、部屋数の多いホテルもあるので、まだお部屋残っていると思いますよ。
ほっしー:温泉に入れるのはいいですね!

コーヒー豆は、京都から

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ひとつひとつ揚げられていくドーナツたち。

ぶのさん:コーヒーおいしいです。豆は、どんなの使われてるんですかぁ~?
菊地さん:コロンビアの中深(ちゅうぶか)煎りなんですけど、
ぶのさん:けっこうまろやかな方ですかねぇ?
菊地さん:ネルで淹れてるのも、かなり口当たりに影響していますね。

ほっしー:豆はどこから仕入れられてるんですか?
菊地さん:豆は、京都からなんです。
京都のKAFE工船(かふぇこうせん)ってところです。

ほっしー:そうだったんですね~、
たしか栞日さんのホームページを「山鳩舎」さんがつくられてて、
山鳩舎さんのサイトを拝見すると、コーヒーの焙煎もされていたので、ひょっとしたら、、と想像していたのですが、
KAFE工船さんなんですね。
菊地さん:彼らが、自家焙煎始めたのってけっこう最近で、手でやる焙煎機で、イベント出店時とかに豆を出されてますね。
ぼくが、この京都のKAFE工船さんの豆を使わせていただいているのは、
前の職場のカフェ部門が、仕入れてたのがご縁なんです。

みっちゃん:前の職場はどちらだったんですか?
菊地さん:本拠地が上田にある、「ハルタ」というお店です。
ハルタは、北欧の家具とかヴィンテージの雑貨とかを仕入れて、それをネットと実店舗もあるんですけど、どちらかというと、その仕入れたものをリペアして、うちみたいな小さいお店に卸すという会社ですね。
なので、先ほど、北欧のカップ&ソーサーがありましたけど、それも関係しています。
ぼくはそのハルタの軽井沢のお店に、勤めてました。

おくさまとの馴れ初めを聞いてみた。

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へぇ〜と、聞き入るゆがみの二人(左:かい、右:ぶのさん)

ぶのさん:ほっしーが事前に送ってくれた菊地さんのインタビューサイトあったじゃん?
ほっしー:あー、あの移住系のサイトかな?
菊地さん:あー、清水美由紀さんが取材してくれたやつですね。

彼女は、松本出身で東京で活動されているフォトグラファーで、帰省されたときに取材してくださって。
彼女とは、「春かすみ写真館 in 栞日」という、期間限定の写真スタジオをここで一緒にやったりしました。

ほっしー:ぶのさんに送ったサイト、「ココロココ」だ。
菊地さん:あとは、「箱庭」っていうキュレーションサイトにも関わっている方で。

ほっしー:「箱庭」さん! ゆがみでもたまたま最近話題にしたんです。
ぼくらが見逃しがちな全国のジン(zine)やリトルプレスのイベントがまとまっているページを発見しまして。
実際あそこから、zinphonyという群馬の高崎のイベントを発見しまして、いま連絡とっているところです。

ほっしー:彼女さん、、いや奥様とは、こちらでお知り合いになられたんですか?
菊地さん:あ、そうです。ぼくが茨城から長野県に来た理由が、就職先がたまたま松本になって、この町にきたんです。

その就職先に彼女がいて。松本にある温泉旅館で。
なので、大学卒業してその温泉旅館に入って、そこで1年半くらいお世話になって。

その間にいまの妻に出会って、妻は妻で、将来、店とかカフェみたいなことができたらと考えていたみたいで、
じゃあ、一緒にやろうかみたいな話になり、一緒にやるとしたら、
そのとき勤めていた旅館はけっこう規模が大きいところだったので、
もう少し個人店の肌感覚みたいなのをつかめたほうがいいよねっていう話になったんですね。

ただ、彼女のほうが旅館のキャリアが長かったこともあって、すぐに辞めることもできなかったんです。
ぼくは入って暦も浅かったので、さっと(笑)

「サービス」ってなんだろう?

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菊地さん正面の図。

かい:旅館を選んだきっかけってあるんですか?
菊地さん:もともとスターバックスでアルバイトをしていたので、
大学卒業して、スターバックスにそのまま就職しようと思ってたんですよ。
エントリーだけはできたんですけど、その年だけスターバックスが採用をやめて、、、
えーーーってなって。

リーマンショックの年だったんですよね。

ほっしー:ですねー。ぼくらは社会人1年目のときに、来ましたね。

かい:卒業後も、もう少しコーヒーをやりたかったんですか?
菊地さん:そうですね。もっとスターバックスの内部を知ってみたかったですね。
学生のときは、最前線でしか働いていなかったので。

企画とか、ブランディングとか、プロモーションとかを理解するためには、
本社で働いた方がいいなっていうのがあって、そのまま入りたかったんですけど、新卒で入ることができなくなり、、

ただ、アルバイトから契約社員になり、さらに正社員になるというルートがまだ残っていたので、
卒業したあともフリーターっていうかたちでまだアルバイトとして勤めていたんです。
そしたら、けっこうその同じルートをたどっている先輩方が行列をなしているわけですね(笑)
これ、待つのかーーーしんどいなーー(笑)っていうのがあって。

かい:20代前半でそこまで描いてたんですねぇ。

菊地さん:その先に思い描いていた方向性があったので、そこに時間をつかってしまうのもなぁと思って、
そこで、スターバックスにこだわるのやめようと思って、他のところ就職しようって。

で、その次に旅館を選んだのは、結局そのときスターバックスに対して抱いた一つの疑問というか、なんなんだろうというのがあって。
というのも、ひとりひとりのお客さんに対して、自分の判断で対応することを歓迎していますという姿勢がスターバックスにはあって、
よく言われるのがマニュアルがないとかっていうところですね。

本当に、最初のうちは「好きな風にやってください」って、言われるんですけど、
だんだん、入ってきたばかりの人たちを育てるとかコーチングするとかのポジションになってくると、
店長を束ねているような方達から、ダイレクトにフィードバックをされるようになるんですね。
そのときに「今の、トオルの接客はスターバックス的じゃないよね。」とか言われるんですよ(笑)

え、スターバックス的なサービスって、ぼくが考えて判断してやるっていうのがスターバックス的なサービスなわけだから、、
なんか、おかしいよ!って思うようになって来て。
じゃあ、サービスって何よ?っていうことで、
ぼくはそのとき、サービスっていったときに、スターバックスのサービスしか知らなかったから、
もうちょっと別の次元でサービスのこと考え直した方がいいなって。

で、サービス業だったら、短絡的に考えて、ホテルとか旅館でしょって思って、
高級路線のホテル、、つまり一流のホスピタリティがある場所に就職したいなって思った結果、
拾ってくれたのが松本の旅館だったということです。 ドーナツ編へつづく!




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栞日さん ドーナツ編
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